事例022異議申立により、後遺障害等級第14級を獲得し、労働能力喪失期間が7年間認められた事例
- 担当弁護士北島 好書
- 事務所朝倉事務所
ご相談内容
依頼主
Vさん(30代・男性) / 職業:会社員
福岡県筑前町在住の30代会社員のVさん(男性)は、普通乗用自動車を運転中、後方から進行してきた普通乗用自動車に追突し、頚椎捻挫、腰椎捻挫等の傷害を負い、治療を継続しましたが、腰痛および両側下腿~足部にかけてのしびれ感等の障害を残しました。
弁護士の活動
当事務所は、Vさんの後遺障害診断書等の医証を獲得し、後遺障害等級の申請を自賠責に行いましたが、自賠責より、第14級の評価対象となる「受傷部位にほとんど常時疼痛を残すもの」とは捉え難いとして、自賠責保険における後遺障害には該当しないと判断されました。
そのため、当事務所は、追加の医証等を取り寄せた上で、自賠責に対し、自賠責の解釈には誤りがあり、これに基づいて自賠責保険における後遺障害に該当しないとする判断は理由がないばかりでなく、むしろ自賠責の見解に従えば、Vさんの腰部痛は、当然に後遺障害等級第14級として評価されるべき旨の異議申立を行いました。その結果、Vさんは、腰痛および両側下腿~足部にかけてのしびれ感等について「局部に神経症状を残すもの」として後遺障害等級第14級9号に認定されました(詳しくは、「末梢神経障害」を参照してください。)。
そして、当事務所は、上記結果に基づき示談交渉を開始しました。
解決結果
加害者側は、当事務所の請求内容に対し、特段争うことなく概ね認めました。
そのため、加害者側が、Vさんに対し、既払金のほか約243万円を支払うとの内容で示談が成立し、Vさんに満足いただける結果となりました。
なお、後遺障害逸失利益の労働能力喪失期間について、14級で5年程度に制限する例が多くみられるなか、本件事案では7年での認定に成功しました。
弁護士のコメント
本件は、異議申立てにより第14級9号が認定された事案でした。
また、後遺障害逸失利益の労働能力喪失期間について、実務上、軽度の神経症状の場合には一般的に労働能力喪失期間が制限され、14級で5年程度に制限する例が多くみられます。これは、軽度の神経障害は、この程度の時が経過すれば治癒していくことが医学的に一般的な知見であることに基づいています。しかし、同期間は、個々の事案に即して、医学的知見をも参考にして総合的に判断すべきものですから、本件事案のように、具体的に主張立証することにより適正な賠償を受けることは可能です。
また、後遺障害逸失利益の労働能力喪失期間について、実務上、軽度の神経症状の場合には一般的に労働能力喪失期間が制限され、14級で5年程度に制限する例が多くみられます。これは、軽度の神経障害は、この程度の時が経過すれば治癒していくことが医学的に一般的な知見であることに基づいています。しかし、同期間は、個々の事案に即して、医学的知見をも参考にして総合的に判断すべきものですから、本件事案のように、具体的に主張立証することにより適正な賠償を受けることは可能です。
文責:弁護士 北島 好書