解決事例

事例023頚部痛の障害(後遺障害等級第14級)を残した被害者につき、主夫として休業損害及び後遺障害逸失利益が認められた事例

ご相談内容

ご相談内容

依頼主
Wさんさん(60代・男性) / 職業:主夫

福岡県朝倉市在住の60代主夫のWさん(男性)は、普通乗用自動車を運転して信号停車中、後方から進行してきた普通貨物自動車に追突され、頚椎捻挫の傷害を負い、治療を継続しましたが、頚部痛の障害を残しました。

弁護士の活動

弁護士の活動

当事務所は、Wさんの後遺障害診断書等の医証を獲得し、後遺障害等級の申請を自賠責に行い、自賠責より、頚椎捻挫後の頚部痛について「局部に神経症状を残すもの」として後遺障害等級第14級9号に認定されました(詳しくは、「末梢神経障害」を参照してください。)。

そして、当事務所は、上記結果に基づき示談交渉を開始しました。

解決結果

解決結果

本件事案における主な争点は、①休業損害、②後遺障害逸失利益でした。

休業損害及び後遺障害逸失利益について、加害者側は、専業主婦であると当然に認めることはできない旨主張しました。そのため、当事務所は、同居の家族の日々の家事への関わりや生活状況等を具体的に主張立証するなどして、加害者側と粘り強く交渉を継続しました。

以上より、加害者側が、当事務所の主張を認める形で、Wさんに対し、既払金のほか約244万円を支払うとの内容で示談が成立し、Wさんに満足いただける結果となりました。

弁護士のコメント

弁護士 北島 好書

家事従事者が事故により家事ができなかった場合に、家事労働を金銭的に評価するというのが最高裁の立場であり、賃金センサス第1巻第1表の産業計・企業規模計・学歴計・女性労働者の全年齢平均の賃金額を基礎として、損害を算定するというのが、実務の扱いになっています。女性の平均賃金を用いるのは、従来、家事労働は女性が担ってきたという背景によるものであり、男性の場合でも、女性の場合と同様に、家事に従事することによって報酬相当の利益を家族のために確保していることから、家事労働による財産的利益を得ていると評価できますので、休業損害が認められますが、算定の基礎としては、男性の場合でも女性労働者の平均賃金を参照して認定されることになります。

本件のように、男性は女性に比べて、家事従事者と認められにくい傾向にありますが、具体的に主張立証することにより適正な認定を受けることは可能ですので、あきらめずに、弁護士に相談して頂きたいと思います。

文責:弁護士 北島 好書

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