解決事例

事例041頚椎捻挫等を負った被害者につき、休業損害として給与減額分のほかに残業代減収分が認められた事例

ご相談内容

ご相談内容

依頼主
Oさん(30代・男性) / 職業:会社員

福岡県朝倉市在住の30代会社員のOさん(男性)は、普通乗用自動車を運転して信号停車中、後方から進行してきた大型乗用自動車に追突され、頚椎捻挫等の傷害を負い、約6か月の通院を余儀なくされました。

弁護士の活動

弁護士の活動

Oさんは、今後どのように手続きを進めればよいのか分からず、当事務所に相談に来られました。当事務所は、Oさんの治療終了後、示談交渉を開始しました。

解決結果

解決結果

本件事案における主な争点は、①休業損害、②症状固定時期でした。

休業損害について、当事務所は、本件事故により、Oさんが本件事故前に従事していた残業はできなくなり、従前と同様の手当てを受け取れなくなったとして、給与減額分とは別に、症状固定日までの残業代減収分を請求しました。これにより、加害者側は、給与減額分とは別に、残業代減収分として一定程度認定しました。

そして、Oさんに対し、既払金のほか約132万円を支払うとの内容で示談が成立し、Oさんに満足いただける結果となりました。

なお、症状固定時期について、加害者側は、当事務所の主張に対し、特段争うことなく認めております。

弁護士のコメント

弁護士 北島 好書

休業期間中の賃金は支払われたものの、残業代の支払を受けることができなかった事案において、東京地判平成17年6月21日(交民38巻3号831頁)が「休業期間に得べかりし残業代として過勤手当相当額の損害を被ったものというべきである」と判示するように、被害者が事故前から恒常的な残業をしていた事実があり、残業できなかった日数の証明が可能であれば、請求の余地はあります。

本件事案では、提出の給与明細書だけでは「残業できなかった理由が事故を契機とする事情」であるかが不明であり、直ちにOさんの残業代が減少したと推認することは困難でしたが、Oさんの陳述でこれを補完し、残業代相当額の認定を得ることができました。

本件のように、加害者側より、残業代減収分を否定されたとしても、具体的に主張立証することにより適正な賠償を受けることは可能ですので、あきらめずに、弁護士に相談して頂きたいと思います。

文責:弁護士 北島 好書

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